テスラモーターズをMITが1位に選んだ理由

 “50 Smartest Companies”MITが毎年「世界で最も革新的な50社」を選んで発表しています。

 2015年の1位はTesla Motorsでした。電気自動車(EV)事業が評価されたのではありません。大容量蓄電池を家庭用(家庭用蓄電池Tesla Powerwall)や店舗・オフィス用(業務用蓄電池システムTesla Powerpack)、更に工場・オフィスビル・データセンター・公共施設などのスマートグリッド用のソリューションなど、大量に、しかも格安に提供する事業に対して、smartと評価されたと言われています。パナソニックと組んでネバダ州に建設中の大規模なリチウムイオン電池工場(Gigafactory)が今年一部生産を開始して、2020年からフル稼働するでしょう。更にLG化学からもリチウムイオン電池の調達交渉を行っているようです。このように大容量蓄電池の調達・製造コストを下げてEV以外にも多用途に売り込み、一気呵成に規模と収益性を高める経営手法や事業の進め方がsmartestだとMITの人たちは考えたのでしょうか?

  国別のエネルギー消費量では米国は中国に抜かれて2位ですが、一人当たりのエネルギー消費量は断トツで世界1位です。CO2を排出する化石燃料の消費量を減らし、クリーンエネルギーや原子力の消費量を増やすには、住宅・店舗・工場・オフィスビル・データセンター・公共施設などへの定置型大容量蓄電池の大規模な適用が欠かせません。このように考えると、Tesla Motorsのやっていることは、国家戦略であり、国民の利益とも合致します。MIT“50 Smartest Companies”を選んだ人たちの目に狂いはありません。その効果を考えてもそれによる利益は莫大なものですし、環境へのメリットでは定置型大容量蓄電池は「第2の太陽電池」とも呼ばれています。今後の世界的な展開も考えられます。MIT1位に選んだことは当然だと思います。

  2015年のMIT“50 Smartest Companies”には中国は4社が選ばれていますが、日本はLine(親会社は韓国)だけです。国の大きさや市場の規模の影響はあるでしょうが、日本の政治や企業文化がこのような社会に大きなインパクトを与えるイノベーションを起こしにくいのではないかと危惧しております。技術力だけでなく、色々な意味でもっとsmartさを国際的に認められる会社が増えて欲しいと願っています。

(2016年3月1日 田村寛人)

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