ロングテールとパレートの法則の関係

 ロングテールの法則(理論)とは、販売機会の少ない商品でもアイテム数を幅広く取り揃えることで、又は売上金額の少ない顧客でも対象となる顧客の数を増やすことで、全体の売上を増やすことを言います。オンラインDVDレンタル店のネットフリックスや本のアマゾンなどのインターネット上での商品販売のビジネスモデルの場合、ロングテールの売上が全体の過半数を占めるに至りました。

  一方、パレートの法則によれば、「20%の上得意客が、総売上の80%をもたらしている。よって売上を伸ばすには顧客全員を対象としたサービスを行うよりも、2割の顧客に的を絞ったサービスを行う方が効率的である」ことになります。

 一見アンチテーゼのようですが、私はそうではないと思っています。普通のビジネスでは、ロングテール現象よりもパレートの法則が圧倒的に勝っているように見えます。ニッチな業界の弊社についても2080の法則に長年はまり込んでいます。それでは2割の顧客にサービスをすれば企業はうまくいくのでしょうか。否です。2割いた上位の客との商売は時代の変化とともに減っていくかも知れません。上位客の減少を補う新しい顧客が育ってこなくては企業の将来は先細りになります。新しい顧客の大切な芽がロングテールの中にいるのです。ネットフリックスやアマゾンをはじめとするインターネットによる物品販売は、お客様の顔の見えない商売で、ロングテールにさしたるコストはかかりませんから売上金額の少ない顧客でも儲けが出ます。我々一般の製造業の場合はコストに犠牲を払ってでもロングテール顧客を大切にする必要があります。つまり、ロングテールとパレートの法則はテーゼとアンチテーゼの関係ではなく、弁証法でいうジンテーゼ(新たな高次の概念によってテーゼ(正)とアンチテーゼ(反)を統一し、矛盾を解決すること)を導き出すことになりそうです。雑学が哲学の領域に入りましたので、これで終わりにします。

(2016年3月7日 田村寛人)

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