中小企業における新卒社員入社の価値は大きい

 年度末の3月は仕事が忙しくてブログもご無沙汰しました。41日はエイプリルフールで昔は嘘を信じる友人を見て楽しんだものですが、日本の企業はこの日に新入社員の入社式をやります。まるで新入社員を信じてないようで不思議に思うのですが、弊社も右へ倣えしました。今年は優秀な新卒が2人入社しました。大変有難いことです。

 今、中小企業にとって最も大事なことは何か?と問われれば、私は「企業のサスティナビリティ(持続可能性)」と答えます。西日本模型は来年創業60周年を迎えます。バブル崩壊やリーマンショックで大変な影響を受けましたが、ともかく60年が経ちました。次の目標は100周年です。今年入社した新卒2人はそれまで西日本模型を引っ張っていくでしょう。企業のサスティナビリティは切れ目のない人材によって担保されます。弊社は20代から70代までほぼ均等で、真ん中あたりがやや膨らんでいる社員の年齢別構成になっています。理想的と言えます。

 何故社員の年齢別構成が重要か?それは年齢によって知識や考え方、得意な分野が異なりますから、自ずと役割分担ができてくるからです。どこかの年代が抜けていると、歪な企業になりかねません。

 20代、30代、40代はITの主役です。第4次産業革命と言われる人工知能(AI)、ビッグデータ、クラウド、物インターネット(IoT)、ロボット、ドローン、画像解析などはこの年代の人達の仕事です。弊社は1991年から本格的に3次元CAD/CAMを導入し、若い社員が新しい分野を開拓してきました。また、他社に先駆けて3Dプリンターを活用し、今は BIMCIMを模型製作にも使っています。

 50代、60代、70代はCSV(Creating Shared Value共有価値の創造)など、新しい経営戦略のフレームワークで技術革新や業務改革、諸問題の解決を推進する主役です。こういう仕事に60代、70代の人達が従事することは豊富な経験を生かすと同時に、これからの人口減少対策にも役立ちます。

 このように考えると、企業の社員に対する考え方も昔の「人的資源」(human resources)から今は「戦略的資源」(strategic resources)に変ってきています。それを更に際立たせているのがトランプ大統領の政策で世界の政治・経済が変化しようとしていることです。国境調整税が実施されれば、価値連鎖(Value Chain)で優位に立っていたグローバル企業は方針の転換を余儀なくされます。移民の規制が実施されれば海外の優秀な人材を集めていた米国のIT企業は打撃を受けます。市場特性・外部環境重視のMichael E. Porterの競争戦略論よりも、内部経営資源・ケイパビリティ重視のJay B. Barneyの企業戦略論が脚光を浴びてくるわけです。Barneyの言う「持続的競争優位」「持続可能な企業固有能力」は優秀な社員、創造的な社員がいる企業組織によって生み出される企業の強みです。

 トランプ大統領のやり方は色々な波紋を呼ぶ一方で、その現実重視の政治は、これまでの理想を追い求める行き過ぎた寛容な政治やグローバル企業の過当な競争戦略が抑えられ、世界は正常化へ向かうでしょう。それによって人間性を取り戻し、より平等な社会を実現することが、企業、国家のサスティナビリティにつながると思います。

 

 

 (2017年4月11日 田村寛人)

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