日本版EMSを早く確立しよう

鴻海精密工業に代表されるEMS(Electronics Manufacturing Service)企業が大きくなり、水平分業に出遅れた日本の電子産業は、企業業績でも、新製品の開発でも、大変な苦境に立たされています。

20世紀はフォードの大量生産方式に始まる第二次産業革命により、垂直統合型の大企業が発展しました。
これら大企業を中心とした新規事業や設備投資がうまく回って日本の戦後の高度成長を支えました。

21世紀はAppleと鴻海の関係に代表される開発・販売・設計と製造の水平分業が第三次産業革命と呼ばれるようになるのではないか、と感じています。研究・開発と販売・設計も分離して行くでしょう。

日本はこの21世紀の産業構造の流れに、完全に出遅れました。大企業は新事業・新製品の開発競争に敗れ、事業縮小、工場閉鎖、大量解雇を繰り返しています。日本が得意としている製造技術を生かして
もっと早く大企業の製造部門を独立させてEMS企業を作れば、立派にやって行けるところも多かったと思います。昔は世界をリードしていた日本の半導体は、日の丸半導体の国策会社を作ってもうまく行かず、今は見る影もありませんが、今頃外国のファウンドリ企業に委託生産するのであれば、どうしてもっと早く開発・販売・設計と製造を分離独立させ、夫々が頑張って行く様にしなかったのか、不思議でなりません。

アベノミクス三本の矢の最後の「成長戦略」には「日本産業再興プラン」などがありますが、「失業者を減らす」とは書いてありますが、失業者を出している大企業の製造部門の分離独立・活性化・EMS企業育成・ファウンドリ企業育成の話はありません。大企業の製造部門が縮小すると、困るのは中小企業の製造業です。

旧シャープ堺工場(現:堺ディスプレイプロダクト㈱)は一昨年鴻海の資本参加によって、歩留まりを上げ、販路を広げて、すぐに黒字になったとの報道がありました。これこそ、EMSの本領発揮と言えるでしょう。日本でもEMSは可能なのです。この場合「販路を広げる」のは業務受託の営業のことで、最終製品の販売ではありません。

日本の大企業の工場は、自社の営業や企画や設計から仕事を貰えるものと思い込み、独立心に欠けています。他社からの業務受託には熱心ではありません。これでは21世紀の世界の潮流について行けないでしょう。

私はEMSはExcellent Manufacturing Service が良いと思っています。

西日本模型㈱は模型製作の業務受託を本業としています。売上の殆んどがB to B(企業間取引)の業務受託です。つまり典型的なEMS企業です。コンセプト・意匠・基本設計・基本仕様は顧客から頂きますが、目的にあった品質のいい模型を効率よく製作するための方法を提案して模型の設計を行います。模型というニッチな分野ですが、21世紀の産業構造が水平分業主体になっても適合して行けます。

日本の大企業がこれ以上海外へ工場を移転して日本を空洞化しないことを望みます。製造部門を独立心ある人たちがEMS化して国際的にも立派にやっていくことを期待したいです。
(2014年4月8日 田村寛人)

コメントを残す

サブコンテンツ

このページの先頭へ