日銀3月短観の業況判断

 日銀は3ヶ月ごとに「全国企業短期経済観測調査」(短観)を実施しています。全国の大企業・中堅企業・中小企業約1万数百社から出された業況判断DI(最近の業況と3ヶ月後先行き予測)をまとめて、その月末頃に発表しています。経済調査の中で最も信頼されているものです。

業況判断の他にも需給・設備・人員・資金繰り・金利・価格などの判断項目、年度計画についての調査、黒田総裁になって新たに加わった物価見通しなどがあります。

 日銀が4月1日に発表した3月短観について、日本経済新聞の見出しには「景況感22年ぶり高水準」「大企業製造業5期連続改善」「企業心理 脱デフレ色」などの文字が躍っていました。本当にそうでしょうか。

2014年3月短観の業況を、米国でサブプライムローン問題が起きた2007年夏以前と比較しますと、消費増税前の駆け込み需要があったにも拘らず、大企業製造業も中小企業製造業も業況判断DIは当時を下回ります。しかも4月以降は駆け込みの反動と消費税率8%の消費者心理への影響から、景況感の先行き予測は大幅下降しています。

日銀3月短観業況判断DI
(景況感が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた企業の割合を引いた値)

  大企業 中小企業
2014年3月(実) 2014年6月(予) 2014年3月(実) 2014年6月(予)
製造業(全体)業況 17 8 4 -6
その他製造業業況 14 7 -13 -23

 これを見ると、景気が良くなったとは言えない状況が分るでしょう。中小企業製造業の多くの企業が未だ苦しんでいることをDIは示しています。特に模型製作企業が属しています中小企業の「その他製造業」は日本標準産業分類によればニッチな産業の集まりですから、夫々が工夫してやっていると思っていましたのにワースト3に含まれます。中小企業の全産業で他に悪い分野は「繊維」「その他情報通信」「宿泊・飲食サービス」です。いずれも中小規模で昔ながらのことをやっていてはじり貧になり、業績を上げるにはイノベーションが絶対必要な分野です。

景気が回復しても横並びで企業業績が上がる時代ではありません。特に中小企業でイノベーション下手な企業はつぶれます。そのことを日銀3月短観は示していると思います。西日本模型の社員の皆さんも最近はイノベーションのコツを覚えたようです。21世紀の新しい時代にもうまくやっていくでしょう。

次回はマーケティングとイノベーションについて、分りやすく解説します。

日本経済新聞記事

 

(2014年4月20日 田村寛人 4月の朝礼での話より)

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