街路樹が可哀そう 電線地中化(無電柱化)を進めてください

 昨年、大阪市建設局公園緑化部が弊社の前の歩道に植えてくれたモクレン(木蓮)の 街路樹が、3.5m位の高さの細い若木ですが立派な花を咲かせました。花木の街路樹は心が和みます。

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 写真の右肩にちょっと見えている電線、街路樹が大きくなると電線とぶつかります。街路樹と電線が干渉して危険になると、電力会社は市の許可を得て枝切りをします。日本中で街路樹をいじめる問題が発生しています。こういうことは電線地中化率100%のパリ、ロンドンでは起こりません。ニューヨーク、シンガポール、台北、ソウルでも先ず無いと思います。先進国の中で日本だけが電線地中化(無電柱化)が極端に遅れているからです。平成24年の電線地中化率は東京(23)7%、大阪市5%に過ぎません。国土交通省、自民党の無電柱化小委員会、無電柱化を推進する市区町村長の会などがようやく動き出していますが、全国で桜の木とほぼ同数の約3500万本ある電柱(今も増え続けています)を無くすことは容易ではありません。

 自民党が「無電柱化基本法案」(仮称)の準備を進めていますが、全国で電線地中化を進めるには数100兆円、つまり日本の一般会計予算の数倍が必要になるということ位しか分かっていません。日本が大変恥ずかしいくらい遅れたのは、選挙に関係ないことに無関心な政治家の責任だと思います。政治家の海外視察は何のためにあるのでしょうか。

 電線地中化(無電柱化)のメリットは(1)都市景観の改善、(2)都市防災(避難路確保)(3)安全な歩行者空間の確保、(4)電線地中化により地震で破損しにくくなるので災害時の停電や通信網の被害が軽減する、(5)電線や通信回線の保守が架空線に比べて楽になる、(6)CIMによる全国都市の道路地下のデータベースの作成、(7)電柱に拠らない信号・道路照明・交通標識のデザイン、(8)観光客(インバウンドを含む)の増加(地方の効果も大きいと言います)(9)土地や建物の資産価値・ブランド価値の向上、(10)街路樹の種類・樹高の制約や枝切りの必要が無くなる、(11)電線地中化の公共投資による景気浮揚、(12)国の文化の評価を高める(現状の電柱・電線のある風景は到底先進国とは言えません)、等など。

 大阪市の下水道は豊臣秀吉が作った「背割下水」に始まり、全国で一番早く下水道整備・水洗化100%を達成しました。明治27(1894)コレラの流行を契機に下水道改良工事を行った時の総事業費は当時の大阪市の単年度予算の6倍にもなったそうです。電線地中化費用が国の一般会計予算の数倍だからと言って驚くことはありません。

 桜の開花前に春を告げてくれるモクレンの街路樹がすくすく育っても、枝切りしなくて済むように電線地中化(無電柱化)を早く進めて欲しいものです。

 

(2016年3月30日 田村寛人)

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