リオに学んで2020東京パラリンピックを成功させ、共生社会の日本を創ろう

 リオパラリンピックはブラジルの人たちの心の温かさが感じられる素晴らしいものでした。リオオリンピックの前は施設建設の遅れや政治のゴタゴタばかりが報じられていましたが、すべてが終わった今はブラジルは何て素晴らしい国だろう、東京パラリンピックはリオに学ばなくてはいけない、と真剣に考えるようになりました。

 テレビも新聞もこれほどパラリンピックの報道をしたのは初めてでしょう。障害者の活躍を見て、オリンピック以上の感動を与えられたのは私だけではないと思います。

 ブラジルは大国です。面積は世界で5番目、日本の22.5倍あります。人口は世界で5番目ですが、人口密度は日本の1/15です。世界で断トツの流域面積を誇るアマゾン川が流れてます。台湾の知人が息子の1人に米国籍を取らせ、もう1人をブラジルに帰化させました。ブラジルは未来の大国だからです。サッカーが強いことでも有名です。リオオリンピックではサッカー男子決勝で金メタルを獲得したことは記憶に新しいところです。

 9月20日の読売新聞に「リオ共生の街へ一歩」という記事があり、写真に「リオデジャネイロの砂浜でシッティングバレーを楽しむ障害者ら」が掲載されていました。砂浜に大勢いる周りの人たちに溶け込んでいる素晴らしい写真だと思いました。障害者にビーチスポーツを楽しんでもらう活動を続けるニーラ・ピメンテウさんは「パラリンピックを機に、どうすれば障害者が生活しやすい街になるか考える人が増えたと思う」と語っています。

 一番大事なことは、障害者と健常者の垣根を取ること、健常者は常に障害者のことを考えて行動することだと思います。先ず心の垣根を取り払い、自分が障害者なら何をしてほしいかを、色々な立場にいる人達が常に考えることが求められます。

 地下鉄「青山一丁目」の悲劇を繰り返してはなりません。815日東京メトロ銀座線青山一丁目駅のホームで、盲導犬を連れて歩いていて転落し、亡くなった品田直人さん(55)は視野が狭まる病気でした。ホームが狭く、点字ブロックの上に柱があり、ホームドアも無い、その上点字ブロックの周りの床が点字ブロックの色を薄くしたようなタイルで輝度比が小さく、視覚障害者の9割を占める弱視者には視認性が低かったのです。

 品田さんと盲導犬が危険なところを歩いて行くのをホームにいた人たちが助けるとっさの行動を取れなかったのも、心の垣根があったのでしょう。

 点字ブロック(視覚障害者誘導用ブロック)の視認性向上については、公益財団法人鉄道総合技術研究所人間科学研究部の方々が、点字ブロックと周りの床の輝度比の測定・評価・改善手法を研究しています。

 駅ホームの点字ブロックの敷設方法についての研究の成果が全国の鉄道会社で実施されれば、視覚障害者には朗報です。社会福祉法人日本盲人会連合のホームページでもデザイン優先で歩道に溶け込むような同系の色や材質の点字ブロックが増えたことについて注意を喚起しています。視覚障害者は厚生労働省の調査では身体障害者手帳を交付された者が約30万人ですが、一説では100万人を超えるといわれていますから、助かる人は多いのです。

 2020東京パラリンピックまでにやるべきことはいっぱいあります。日本人の障害者に対する心の問題から変えていくこと、スポーツ施設を障害者が自由に利用できること、ホテルやレストランに車いすで自由に入れること、あらゆるものの物理的・精神的バリアフリー化と安全対策、ボランティアの育成など、2020東京オリンピックよりもはるかに難しいことをやり遂げなければなりません。

 政府も財界もマスコミもこれからは常に障害者のことを取り上げて関係者を支援していかないと、4年はあっという間です。東京パラリンピックを成功させ、障害者と健常者が共生する日本を創りましょう。

 

(2016年9月28日 田村寛人)

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