SDGsの推進は人類の目標であり企業の社会的責任だ

3年ぶりに社長ブログに復帰します。新型コロナウイルス(COVID-19)の世界的蔓延と地球的規模の気候変動に伴い、皆様の関心が身近なことに流れて、国際目標である「持続可能な開発目標:SDGs(エスディージーズ)」への注目度が低くなっているのではないかと気がかりです。

SDGsには2030年までに達成すべき17の人類の持続可能な目標を掲げています。弊社は製造業ですからどうしても12番「つくる責任 つかう責任」に目が行きがちですが、13番「気候変動に具体的な対策を」15番「陸の豊かさも守ろう」などは、国の政策が定まらなくても、企業の社会的責任として実行すれば、世界的に大きな成果を上げられるものです。

最近「SDGsはもうからない?」という記事が日本経済新聞電子版に載りました。日本企業の経営者でそのように考えている人がいるそうですが、「できることからやり始めよう」「SDGsの推進は人類の目的であり企業の社会的責任だ」「利益は後からついてくる」と考えない人の発言でしょう。

弊社の取組を紹介します。まず13番「気候変動に具体的な対策を」からです。最近は海水温度が上がって強力な台風が来たり、今年の猛暑、大雨、雷など異変続きです。気候変動の最大の原因は炭酸ガスによる地球温暖化であり、炭酸ガスの直接排出量の最大は電力に代表されるエネルギー転換部門であり、間接排出量の最大は産業部門です。産業部門の電力消費を減らすことが最も炭酸ガスの発生を減らすのです。これは中国を含む先進国では同じだと思います。弊社は電力消費量を減らすためのあらゆる対策を実施してこの10年間に40%削減しました。

エアコンの効率の良い新型への置き換え、蛍光灯からLEDへの切り替え、3D造形のマシニングから3Dプリンターへの転換、IT機器の省エネ化、デマンド警報器の設置、不要時の消灯、など節電のためにできることは何でもしました。

次に15番「陸の豊かさも守ろう」です。私のマンションは元鐘紡の本社工場のあったところで、鎮守の森がすぐ南側にあって緑を眺めながら暮しています。世界的に見て、木の需要で一番多いのは開発途上国の薪炭用であり、先進国に多い用材が続き、次いで多いのはパルプ材です。日本は木の需要は意外に多く、その消費量は中国と並ぶほどです。木造建築が建てられるのと、パルプの消費が多いからです。弊社は木材とパルプの消費削減に取り組みました。紙の消費量を減らすために両面プリントを原則としました。要らなくなったコピー紙を製紙会社で溶解、リサイクルしてもらい、溶解処理証明書をもらって機密保持も守れるようにしました。模型製作に木材やベニヤを多く使っていたのを、他の材料に変えることもしました。少しでも木の消費を減らすことを始めてから10年経ちました。

SDGsの17の人類の持続可能な目標は、国連、国と自治体、企業、個人、NGOやODAがその気になってやれるところからやっていけば、必ず2,030年までに大半はできると思います。今、世界で戦争や緊張、いがみ合いや混乱が起きているのは、SDGsの17の目標が達成されてないからでしょう。私は企業の社会的責任でやれるところからSDGsを推進すべきだと思っています。儲けは必ず後からついてきます。

私の背広に襟につけているSDGsのバッジ。
これを皆様につけてもらいたいと思います。

(2020年9月16日 田村寛人)