必要な無駄な時間

小さい頃から、お城の近くで住んでいたせいか、休日など、いまだに、時間があるとお城を訪ねる。

天守閣までは、自分のお気に入りのアプローチがある。

梅園を抜け、（ホントはそこまでではないけど）心臓破りの坂道を必死でペダルを踏みつけ、はるかな頂きへ向かう。

登り切っても、またすぐにやってくる新たな坂道。

何千回通っただろうか、楽に登れたことなど一度もないのに、また、この道を選ぶ。

やっと到着した天守閣で、一息。　　嘘のように吹き出す汗。

ベンチに倒れこみ、しばらくは仮死状態。

息を吹き返して、見上げた天守閣。　　そう、ここは大阪城。

何度も見てるのに、おもわず撮る写メ。　　　　思い出すのは

高校時代に彼女と来たことにニンマリ、大学受験前に気分転換に来たことに胸を詰まらせながら、重いペダルを

漕ぎだし帰る。時間にすれば、たかが10分のタイムトラベル。

年齢とともにしんどくなるけど、明日から、「模型のお城でいいか！」とはならない。僕の、必要な無駄な時間。

 

（模型のお城もいいけどね！！）